先日ニュースで猛毒の赤いクワガタに注意するようにとの報道がされていました。
少年時代は虫大好き少年だったのですぐに反応しました。
えっ?赤いクワガタ??
赤いクワガタが日本にいるなんて聞いたことがありません。
ごく稀に赤色の強いノコギリクワガタを見かけることはありますが、これを赤いクワガタと呼ぶのはかなり無理があります。
いったいどんなクワガタなんだろう?と気になったので映像を見てみました。
えっ?これがクワガタ!?ちがうだろ!!
どう見てもゴミムシとかハンミョウの類で、クワガタ捕りに行くとよく見かける種類の昆虫です。
おっ!クワガタ発見!!と大興奮したのも束の間、よく見るとハンミョウでガッカリという経験は何度もあります。
触ると臭いのと動きがありえないほど素速いのが特徴だったりします。
ただ、子供のころから今に至るまでこんな赤い色のものは見たことがありません。
この赤いクワガタと言われる昆虫が実際どんな昆虫なのか気になったので今回もサクッと調べてみました。
赤いクワガタの名前は『ヒラズゲンセイ』
恥ずかしながらはじめて聞いた名前でした。
ざっくり調べてみるとこんな感じです。
- 全長2〜3センチ前後
- クワガタ同様、大あごがあるのはオスだけ
- 唐辛子のような香りがする
- 成虫の発生時期は6月中旬~7月中旬に集中
- 分布は四国、九州、沖縄と南方系 近年近畿地方へも分布が拡大している
- 幼虫はクマバチの巣に寄生
- 体液に有毒物質が含まれ、皮膚に付くと炎症を起こし水膨れができることも
- 高知県では準絶滅危惧種に指定
最初にこのニュースが流れたとき、最近になって分布が広がっているような印象を受けたので外来種なのかと思いましたが、実は日本の在来種だということにちょっと驚きました。
しかも高知県では準絶滅危惧種にも指定されているそうです。
地元の雑木林や原っぱでは見たことがないので分布を調べてみると、四国、九州、沖縄、近畿地方に生息しているのですね。
関東地方にはいないようなので見たことがないのも当然ですね。
ただ、近年分布を広げていることは間違いないようです。
元々南方系のようですが、これだけ温暖化が進んでいることを考えれば関東地方に進出してくるのも時間の問題かもしれません。
『ヒラズゲンセイ』分布拡大はクマバチに関係か?
ヒラズゲンセイはクマバチの巣に寄生して育つそうです。
成虫のオスはクマバチの巣の近くでメスを待ち、そこで出会ったメスは交尾をした後クマバチの巣の中に産卵するそうです。
孵化した幼虫はクマバチにくっついて巣を飛びだし、約一年後に新しいクマバチの巣に戻ってくるといいます。
(この間の1年間、どのような生活をしているのかよく分からないようです。)
さらにその翌年に終齢幼虫→蛹→羽化というプロセスとなっているようです。
孵化から成虫になるまで2年ほどかかるようですが、詳しい生態はまだよく分かっていないようです。
近年ヒラズゲンセイの生息範囲が拡大しているようですが、きっとクマバチの生息範囲と関係があるのでしょうね。
『クマ』で思い出しましたが、そう言えばクマゼミも温暖化の影響で生息範囲が北上していますね。
以前は神奈川県が北限だったようですが、今では茨城県にまで生息範囲が広がっています。
僕も関東在住ですが、まだクマゼミは見たことはありません。
近い将来この辺りでもシャンシャンシャンシャンという賑やかな蝉の鳴き声が響き渡るようになるのかもしれません。
すいません、話が脱線しましたm(__)m
『ヒラズゲンセイ』の毒とはどんなものなのか
ヒラズゲンセイを触ると黄色い体液が出てくることがあり、これが肌に触れるとかぶれたり水ぶくれができることがあるそうです。
おそらく虫を強くつかんだり変に興奮させない限りは安全だとは思いますが、念のため触らない方が良さそうですね。
毒の名前は『カンタリジン』というもので、日本では他にアオカミキリモドキという甲虫にも含まれているそうです。
この虫は頭部と胸部と6本の足がオレンジ色、翅は鮮やかな青緑色をしています。
こちらは北海道から九州まで広く分布しています。
ヒラズゲンセイがクワガタに似ているのに対して、アオカミキリモドキはカミキリムシに似ています。
からだはヒラズゲンセイと同様柔らかいようです。
終わりに
ヒラズゲンセイという昆虫は最初にニュースで見た時と調べてみた後で印象がガラッと変わりました。
いろいろ調べてみるとヒラズゲンセイは昔から日本にいて、ネットにも古くからの情報がわりとたくさん載っていました。
それでも生態はよくわかっていない。
ヒラズゲンセイとクマバチの関係がどのようなものなのかもとても興味深いです。
ネットで調べていたらこんなものも発見しました^^
良く出来てますよね^_^
最後までご覧いただきありがとうございます。